はじめに
Xserverの共有ホスティングサーバーは、どれも同じというわけではなく、定期的に増強されています。しかし、大抵の場合自分が所属しているサーバー筐体の性能がアップされるというわけではなく、新規サーバー契約すると新しい筐体に収容されるようになっています。(旧サーバーのハードウェアが増強されることもあります。)
既存契約者が増強されたサーバーを利用したいなら、同じXserverではあるものの「サーバーの引っ越し」をしなければなりません。結局これはホスティング会社を変わるのと同様の作業が必要になりますが、さすがに大変です。
そのため、「新サーバー簡単移行」という機能が利用者に用意されています。同じXserver内のサーバーなのでできるわけで、無料で新しいサーバー環境が使えるとは、すごく親切と思います。
一般的な話
収容サーバーを変えようと思うと、以下のデータを移行する必要があります。
- ユーザーHOME以下のデータ(Xserverの場合、WEBコンテンツ・メールを含む)
- データベース名(昔はDBサーバーが別でしたが今は同じサーバー環境内で動いているようです。)
内部では単にコピーすれば良いわけではなく、サーバー番号・サーバー名・グローバルIPアドレス が変りますし、DNSの調整も必要になります。Let’s encript やapache/nginx , MariaDB,Postfix などの設定が必要でしょう。
これらを丸ごとやってくれます。
移行後、世界のDNSが新サーバーを指すまでにはタイムラグがあります。これはXserverだけでなくサーバーを乗り換える際の一般的な注意事項です。Xserverの場合は、メールも同じサーバー内なので移行前サーバにメールが届く可能性があります。(メールとWEBが別ホスティングの場合なら問題ない)
実行してみた
今回は、本ブログのドメインを含むサーバーを新環境へ移行します。
※ サーバー名を隠していませんが、どのみち正引き→逆引きすると丸わかりなので。
移行申し込み → データコピー → サーバー切り替え
移行申請してしばらくするとデータコピーがスタートします。(多分自動的?)
約53時間後、データコピー完了のメールが届きました。rsync でコピーしているなら20分もかからない量だと思いますが、結構かかりました。以前営業さんに聞いた気がしますが、データコピー完了は人が確認しているという事でした。(今違っていたらすいません。) スタートが日曜日の朝だったので、平日に順次人が確認しているなら、遅いのも理解できます。なので月火あたりにスタートすると多少早いかもしれません。
データコピーが完了すると、コピー結果を確認したり、新環境を事前に確認したりできます。
特に問題なさそうなら、切り替えの申請を行います。これはすぐに実行され、DNSが書き換えられます。
この後、メールクライアントの設定変更も行いました。
結果
今回は、sv13032 → sv15019 ですが、結局体感の性能は変わりませんでした。
$loop = 1000*1000*1000; // 10億 $count=0; for($i=0;$i<$loop;$i++){ $count++; $count--; }
上記のコードを PHP 8.1.22 CLI で走らせましたが、
sv3xxx 30 秒前後(別契約サーバーでの参考値)
sv6xxx 30 秒前後(別契約サーバーでの参考値)
sv13032 10.18 秒
sv15019 10.16 秒
となりました。※あまり負荷をかけるのも悪いので、5回程度の平均。
共有ホスティングですから、他ユーザーの利用状況や収容数に左右されるのでしょうが多少速くなったかな?という程度ですね。ただ古いサーバーからは移動価値はあります。
CPUの比較を貼っておきます。